政府の未来投資会議が示した成長戦略の実行計画の骨子は、人手不足が課題となっている雇用分野の取り組みや、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の恩恵が十分に及んでいない地方向けの施策などを打ち出した。日本経済の実力を示す「潜在成長率」は足元で1%程度にとどまる。人口減少や少子高齢化が成長の逆風となる中、生産性向上に向けた具体的な成果が求められそうだ。 潜在成長率は、バブル景気だった1980年代後半は4%を超えていたが、バブル崩壊とともに低下し、平成20年のリーマン・ショック後はほぼゼロ%に沈んだ。アベノミクスのもとでやや持ち直し、内閣府の推計によると足元は1・0%。ただ、24年12月の第2次安倍政権の発足当時(0・8%)からの伸び率はわずか0・2ポイントだ。 今夏にまとめる成長戦略では、70歳まで働ける環境の整備など、高齢者の雇用促進に向けた取り組みを柱の一つに据える。経済の担い手となる15