「保守王国」の島根県でも、自民党の信頼が大きくグラついている。 与野党一騎打ちの構図となった衆院補欠選挙(28日投開票)の島根1区。自民党が擁するのは新人の元財務官僚・錦織功政候補だ。ラストサンデーの21日には岸田首相が応援に駆けつけたが、県民の反応はイマイチ。郊外のショッピングセンターで行われた演説では、岸田首相の登場に拍手こそ起こるものの、歓声はまばらだった。 地元の政界関係者はこう話す。 「昨年は長年議席を守ってきた細田博之前衆院議長が亡くなり、『参院のドン』といわれた青木幹雄元官房長官も亡くなった。青木さんの息子の一彦参院議員はパッとしない。大物がいなくなった上に、今回の裏金事件。県内の自民党のブランド力は大きく低下している」 元財務官僚という錦織の経歴も足を引っ張っている。 「島根県は中小企業が多く、インボイス制度に苦しめられている人が多い。岸田総理と手を組んでインボイスを導入し