小学生の頃、うちは貧乏だった。 服は親戚からのお貰い、晩御飯はしばしばただイモを練って焼いたものだとか具のないうどん、家は「蹴ったら倒れそうな家」とからかわれるような家。 当時、ビックリマンシールが流行っていて、友達はみんなシールのコレクションを見せ合ったり、なかには専用バインダーを持ってる金持ちの息子もいたが、その頃の僕には定まった小遣いがなく、近所の子らと遊んでいても誰かが「よし駄菓子屋へ行こう」と言いだすと、家に帰って一人でチラシの裏に絵を描いたり(わが家は赤旗しかとっておらず、隣りに住んでる祖母がチラシを溜めてくれていた)、妹たちと遊んだ。 ある日、友達の家でビックリマンシールの交換会をするというので、僕も見るだけ見せてもらおうと友達の家に向かったところ、ふと側溝の乾いたところに何かが落ちていることに気付いた。 驚いたことにそれは数十枚のビックリマンシールだった。 ※画像はイメージ