JR北海道はこの3月のダイヤ改正で特急列車の指定席化を拡大し、窓口での往復割引切符の販売を廃止した。JR北海道としては、えきねっとへ利用者を誘導したいという狙いもあったようだが、えきねっとの使い勝手の悪さなどから、特に札幌から室蘭や旭川を結ぶ特急列車の客離れを招き、連日、空気輸送の特急列車や混雑する高速バスの様子を伝える投稿がSNS上を賑わせている。4月17日にJR北海道から発表された3月速報の資料では、苫小牧―東室蘭間の乗客が平年比20.6%減、中距離収入が平年比9.0%減のマイナス3.25億円となったことが示されていた。 JRの特急列車や高速バスは、「自分で運転することなく都市間を快適に移動したい」という利用者の基本的なニーズを満たすためのサービスであるが、利用者(顧客)が商品やサービスに対して価値を感じるポイントは多面的だ。JRの特急列車がたとえ定時性や速達性に優れていたとしても、そ