卿は、いつも、いるのだな。試験のときも、ウガルの山でも、魔物と対峙したときでも、私のそばにいてくれるのだな。 インフェリアでの魔物の襲撃を辛くも退けたカインは、帝国の皇子・ハイラムに謁見する。妹のファリアを案じるハイラムの言葉を賜りながらも、カインと当のファリアの毎日が大きく変わることもなく。しかし、帝国は内外から様々な危険に晒されている。東から攻め寄る魔物、そして、ハイラムの施政に不満と危機感を抱く層からの反発。カインの与り知らぬところで陰謀が蠢く中、突然レイクがファリアの従衛をやめると言い出して……。 いやいやいや、面白いですね、このシリーズ。何となくイラストが地味な感じで一見さんが手に取らないタイプの作品ですが、回を重ねる毎に物語が面白くなってきてます。 騎士を夢見て帝都を訪れたカインが、ひょんなことから騎士登用試験に関わる陰謀に巻き込まれ、それを契機に、国全体を揺さぶるような大きな