vol.15 人は目に見えるものだけを世界と感じてしまいがちです。自分も子どものころは学校と家が世界のすべてで、テレビに映っているものはなにもかもがフィクションであるかのように感じていましたが、本との出会いによって視野が大きく広げられました。 高校の図書館でたまたま手に取ったレイチェル・カーソンの「沈黙の春」。テレビで見た環境問題のドキュメンタリーよりもはるかにインパクトの大きなものでした。そしてこの本がきっかけとなって多くの本を読み、さまざまの視点から紐解かれた歴史や物事を知ることとなり、未来を想像するきっかけを掴むことができました。 私たち日本人の多くは、当たり前のように毎日食事をしています。米、肉、野菜。スーパーマーケットに行けば多くの食材が並んでいます。しかし歴史を振り返ると、食べ物に恵まれていた時代や地域は限られたものでしかないことがわかります。現代社会は恵まれた「食」を享受して