ハーベイ・ワインスタインのセクハラ暴露をきっかけに起きた「#MeToo」運動でハリウッドから干されていた映画監督のウディ・アレンが、沈黙を破った。先月末、彼は自伝『Apropos of Nothing』を出版、過去の児童性的虐待疑惑について彼側の言い分を語ったのである。 この本はその目的で書いたものではなく、駆け出し時代や、手がけた作品1つひとつの裏話を語るもので、ユーモアもたっぷりだ。本の終盤で、彼は、「この話題にここまでページを割くことになったことには後悔もあるが、書き手として価値を感じたので」と述べている。 監督やコメディアンであるよりもまずライターと自認する彼にとって、400ページの本を書くのは、たやすかっただろう。だが、出版するにあたっては、困難に直面した。先月半ば、大手アシェット・グループがこの本の出版を発表すると、ウディの実の息子であり、昨年秋、同じくアシェットからノンフィク