混沌(こんとん)とした大量データ(ビッグデータ)の中から意味ある情報を浮かび上がらせる“情報の可視化”。お茶の水女子大学の伊藤貴之教授はジェンダーや、文化芸術など人文科学系の事柄を対象に、この切り口でのデータサイエンス(DS)研究に取り組む。学内の肩書きは複数学部や研究センターなど多岐にわたり、ここから大学の期待も高いことが見て取れる。(編集委員・山本佳世子) DSによる情報分析は人工知能(AI)の機械学習を使うが、基になるビッグデータの扱い方が重要だ。伊藤教授は「全体の中に潜んでいるものを見つけ、意味のあるDSにつなげるために、データの可視化が必要だ」と説明する。 混沌としたビッグデータの中に、時間軸で少しずつだが変化する思いも寄らぬ、重要なデータが潜んでいることがある。また全体の中では見失いがちでも、局所的に差が激しい部分があれば、そこに問題があると考えて対処すべきだからだ。 切り口の