外国語を身につけるにはどうすればよいか? 翻訳はどのようにするか? 文学は何の役に立つのか? 英語とフランス語の東大教師が,「語学」「翻訳」「文学」をめぐってその営みの核心を語り尽くす.ふたつの言語の受容のされ方から,その文学の性格のちがいまで対話は繰り広げられる.「外国語や異文化に出会うとはどういうことか」を知る絶好の一冊. はじめに(斎藤兆史) I 外国語の学び方 英語・仏語を選んだ理由 仏文科はしゃべる能力をあまり評価しない? 日本語能力を鍛える 東大駒場の教師たち 理系的な好奇心 II 語学はコミュニケーション? 教養? 科学と人文学の言葉 英語帝国主義を食い止めるには バイリンガリズムという盲信 英語一辺倒から多言語へ 英・仏・独・日本語の達人 III 翻訳はどのようにしたらよいか 翻訳をする動機 翻案という試み 日本語にならない部分 ウィリアム・モリスとバルザックを訳す 翻訳に
サブタイトルは“フランス(政教分離)と市民の誕生” サブタイトルにもあるとおり、フランスの政教分離とその歴史の話。基本的に日本や他の国のことには触れていない メインタイトルからは想像できないローカルな話なのだ。が、宗教と国家との確執、蜜月は近代国家ならどこでも抱えている問題だし、ローカルだけどテーマはグローバル 本書の最後にムスリムの少女がフランスの学校でスカーフ着用を禁じられた問題が取り上げられている。あの問題は一見キリスト教vsイスラム、もしくはマイノリティ差別のように見える。しかし、実はフランスにとって教育の現場で宗教的慣習を持ち込まれること自体が「政教分離」(ライシテ)の問題として捉えられていたのだ。かつてフランスの教室にはカトリックの十字架が掲げられ、革命から一世紀を経て取り除かれた歴史がある 本書は「政教分離」に到るまでの歴史をヴィクトル・ユゴー、モーパッサン、ゾラの小説や歴史
タイトル別名 Hourglass or The Book of the World : A Study on Danilo Kiš スナドケイ アルイワ セカイ ノ ショモツ ダニロ キシュ ケンキュウ Hourglass (1972) is the last book of the autobiographical trilogy of Yugoslav writer Danilo Kiš (1935-1989). This novel is based on a real letter that Kiš's father wrote to his sister Olga on April 5th 1942. Kiš puts it in the last chapter of the novel as "Letter or Contents." Though the letter (w
◇キシュ著/カルヴィーノ著 (河出書房新社・2520円) ◇失われた父と中欧世界が浮かび上がる 旧ユーゴスラヴィア出身の作家、ダニロ・キシュ(一九三五-一九八九)の初期の代表作の一つ、『庭、灰』(原著一九六五年)の翻訳が、このたび、池澤夏樹氏個人編集の「世界文学全集」に収められた。あわせて同じ巻に収録されたのは、現代文学の名作として既に広く読まれているイタリアのカルヴィーノの『見えない都市』(原著一九七二年)である。二人の作家を並べてみると、中・南欧のヨーロッパ周縁から二〇世紀後半の世界文学を切り拓(ひら)くビジョンを発信した稀有(けう)の才能の共通性も見えてくるようで興味深い。 ここでは本邦初訳の『庭、灰』を主に取り上げよう。キシュの自伝的作品としては『若き日の哀(かな)しみ』(山崎佳代子訳、東京創元社)と『砂時計』(奥彩子訳、松籟社)の二作品がすでに紹介されており、『庭、灰』をあわせて
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『ボクの体験したチェルノブイリ エストニア人リクヴィダートル(事故処理参加者)の手記』 ティート・タルラップ・著/山下史・訳/ エストニア・チェルノブイリ・ヒバクシャ基金2004年 こういう本が読みたかったです。 中東のことでも、米欧一辺倒のマスコミではないものを、 とても読みたかったです。 この著書は「数多くあるチェルノブイリ被災地の ルポルタージュといささか趣向を異にしている。 事故処理のために予備役で動員された一人の エストニア人青年の「ソ連軍従軍記」とでも いえばよいだろうか。」と訳者は書いておられます。 この著者は何の知識もなく、 チェルノブイリに送られていたようである。 今はなくなったソ連があったころ、エストニアはその 一部分だった。そこに住んでいた著者は、 チェルノブイリに強制的に送られていくのである。 エストニア人は4800人も送られたという。 ソ連全土からは60万人と書か
欲望のコード ―マンガにみるセクシュアリティの男女差 堀あきこ 著 ■四六判上製・250頁 品切 ISBN 978-4-653-04018-7 レディースコミック、TL、BL等、女性向けコミックを比較分析! 日本において、女性のための性を描いた恋愛コミックは、一市場を築く商品ジャンルとして確立している。本稿はこれら〈性的表現を含む女性コミック〉の比較分析を通し、メディアの受け手である現代女性がどのような作品を望んでいるのか、また、どのようなセクシュアリティ観を持っているのかを浮き彫りにする。そして、男女のセクシュアリティ表現の差異から社会を逆照射する。 【 目次 】 第1章 〈ポルノ〉とはなにか -フェミニズムにおける言説を中心に 第2章 いかにしてマンガを読み解くか 第3章 男性向けポルノコミックと〈性的表現を含む女性向けコミック〉の概要と特徴 第4章 <視線>同一化する視線と俯瞰する視
[amazon] 去年、演劇研究所の招きでスウェーデンを訪れた時のこと。その晩、案内役のヨハンソン夫人に連れて行かれたのは王立図書館でした。夜の11時頃に図書館に入った「私」は、その一晩を一人っきりで図書館の中で過ごすことになります。そして、その図書館で私が見つけたのは、かの有名な「死者の百科事典」。「私」は2ヶ月前に亡くなった父に関すること全てが書かれている本を見つけ、読みふけることに... という表題作「死者の百科事典」他、全9編の短篇集。 先日読んだ、同じくダニロ・キシュの「砂時計」は、実はとても読みにくくて、もうどうしようかと思ったほどだったんですけど(挫折寸前でした)、でも読み終えてみればすごく印象に残る作品だったんですよね。こちらも全てを理解したとは言いがたいし、短編は苦手なので途中で集中力が途切れてしまったりはしたのだけど、逆に短編のせいか「砂時計」の時のような読みにくさは感
(松籟社・2100円) ◇不条理な死に打ち克つ文学の力 ダニロ・キシュ(一九三五-八九)は、旧ユーゴスラヴィア出身のユダヤ系作家である。これまでにも二冊、『若き日の哀しみ』と『死者の百科事典』が山崎佳代子さんのみずみずしい訳文によって日本に紹介されていて(どちらも東京創元社刊)、すでに知る人ぞ知る存在になっているはずだが、今回新たに訳出された長編小説『砂時計』は、キシュを多少なりとも知っている読者を驚かせ、当惑させるような強烈なビジョンと、たくましい小説的構築の技を示す作品になっている。 『若き日の哀しみ』が「抒情のひと跳び」で少年時代にさかのぼって、淡い水彩画のような美しい光景を描き出していたとすれば、『死者の百科事典』はロマネスクの香りの強い幻想短編集だった。それに対して、『砂時計』はもっと重苦しく、出口がいつまでたっても見えてこないカフカ的悪夢の世界に読者をさまよわせる。 小説の冒頭
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