「わたしはフランソワ――このことがとにかく辛いんだ―― 生まれはパリ、ポントワーズの近く。 さて、長さ一トワーズの綱につるされて 首のやつ、臀の重さを悟るだろう。」 (フランソワ・ヴィヨン 「四行詩」) 天沢退二郎 訳 『ヴィヨン詩集成』 Villon : Œuvres poétiques 白水社 2000年9月10日 印刷 2000年9月25日 発行 405p 索引xix 口絵(モノクロ)8p 四六判 丸背紙装上製本 カバー 定価4,500円+税 装丁: 杉松翠 本書「訳者おぼえがき」より: 「ヴィヨン詩の新訳を私が企てるにいたる最初のきっかけは、一九六五年(中略)にはじまる。具体的には、一九七〇年代に、白水社の『フランス中世文学集』の企画の中で私が南仏・北仏詩を担当することになり、折しも画期的なリシュネルとアンリによる校訂本の刊行を契機に、訳出作業を開始した。そうして訳し溜めた訳稿から