講師:原基晶(東海大学准教授)講師:橋本麻里(編集者)NTT DATA のデジタルアーカイブ事業「AMLAD®」でデジタル化されたバチカン市国の文化遺産を利用。講師2名がバチカン市国の歴史的建造物「Gregorian Tower」のバーチャル空間の中から講義を行う。今回のテーマはダンテの『神曲』。2021年に没後...
ISBN: 9784791773855 発売⽇: 2021/11/26 サイズ: 20cm/353,36p 「ダンテ論」 [著]原基晶 この本の魅力は、要約だけでは伝わらないはずだ。 イタリア国民文学の源流に輝くダンテの『神曲』。こうした評価は実は新しいという。19世紀、イタリアに近代国家が誕生すると、国民文学や国語を求める政治的思惑のもと、そんな評価ができた。作者ダンテは、作品の主人公と同一視されて英雄扱いされた。 本書の著者は、現在まで続くこうした評価を、歴史学や文献学の成果をふまえて退ける。そして14世紀の自然哲学や商業革命の文脈のなかで『神曲』を読み解く。こう要約できよう。 私たちが当然とみなす考え方は、いつ、どのようにできたか。この点を解き明かして、脱神話化する手法が鮮やかだ。だが、「創られた伝統」を越えてという要約だけでは、本書の凄(すご)みは語り尽くせない。例えば第3章。『神
恋する詩人か、闘う思想家か、預言者か、リアリストか。 恋に生き、政争に敗れ、叶わなかった理想を追い求めた詩人が夢見た物語――こうした『神曲』のイメージは過去のものとなった。明晰な思考のもとダンテが『神曲』で描いたものは何だったのか。現実世界の中で「個人」の出現を予見し、人々の理念を超越した平和を見出した試みを、第一人者が明らかにする。 [目次] はじめに 第一章 詩人の伝記 『神曲』/伝統的ダンテ像――青年貴族ダンテの報われぬ愛/伝統的なダンテの伝記/忘れられていた長子の発見/庶民にして孤児/ベアトリーチェというフィクション/大銀行間の武力闘争と庶民の政府/史上最初のバブルと庶民政治家の政治闘争/闘う亡命詩人/最期の時 第二章 ダンテ批評史 通常の研究史/イタリア建国以前/ダンテ生誕六〇〇年/ファシスト政権下のダンテ/第二次世界大戦中のダンテ/第二次世界大戦後のダンテ批評/本書はどこを目指
長谷川悠里「機械時計と神的リズム:『神曲』天国篇第24歌におけるAEQUALITAS」『イタリア学会誌』第61号、2011年、1–22頁。 文学史と思想史が交差する興味深い論考を読みました。ダンテ『神曲』の天国篇では、諸天球にいる至福者たち(トマス・アクィナス、ペトロ、天使とか)が天体の円運動を模倣して回転運動を行ないます。このときダンテは彼らを機械時計の部品にたとえます。なぜ彼は時間を象徴する時計のたとえを用いたのでしょう。詩と時間の関係についての思索の原点は、アウグスティヌスの『音楽論』にあります。彼によれば神のいる領域は均等性(aequalitas)の原理が常にとどまっているため、いかなる変化もなくそれゆえ時間もありません。この永遠性を模する時間が天の調和した規則した運動によってつくられます。この「宇宙の詩」に地上の事物は自らを結びつけます。ここで詩という言葉が使われていることからも
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2009年6月) 題名に La Divina が付け加えられた最初の版の表紙 (1555年) 神曲の初版(1472年4月11日発行) Comencia la Comedia, 1472 『神曲』(しんきょく、伊: La Divina Commedia)は、13世紀から14世紀にかけてのイタリアの詩人・政治家、ダンテ・アリギエーリの代表作である。 地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部から成る[1]、全14,233行の韻文による長編叙事詩であり、聖なる数「3」を基調とした極めて均整のとれた構成から、しばしばゴシック様式の大聖堂にたとえられる。イタリア文学最大の古典とされ、世界文学史上でも極めて重きをなしている。当時の作品としては珍しく、ラテン語ではなくトスカーナ方言で書か
来年も作りたい!ふきのとう料理を満喫した 2024年春の記録 春は自炊が楽しい季節 1年の中で最も自炊が楽しい季節は春だと思う。スーパーの棚にやわらかな色合いの野菜が並ぶと自然とこころが弾む。 中でもときめくのは山菜だ。早いと2月下旬ごろから並び始めるそれは、タラの芽、ふきのとうと続き、桜の頃にはうるい、ウド、こ…
※id:hebakudanさんのお名前に敬意を表して! 花「ねえねえ都ちゃん、なんで古典苦手なの?」 都「なんていうか堅苦しい・難しい・メンドチッイ気がするから?」 花「から?って、自分のことなのに疑問形〜(笑)」 都「花だって、この『神曲』よむのに難しい面倒くさい大変ってぼやいてたじゃないっ」 花「うん。だけど、堅苦しいとは言ってないのです〜。 たしかに『神曲』ってけっこう切ない話でもあるよね。でも、意外に「お笑いネタ」はあるのだな。 たとえばこの絵なんか、どう? 地獄篇第21歌素描 都「これのどこがお笑い? これ、両端は川だよね? ニンゲンが溺れてて、その頭を悪魔たちに突付きまわされてカワイソウじゃん!」 花「そう。そこは川といえば川だけど、正確にいうと煮えたぎる瀝青ね。ただの川より酷い(苦笑)。ちなみに突付かれてるひとたちは汚職収賄の徒なのだな。しかもダンテとヴェルギリウスともに不機
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