近代日本の傑出した文学者で、西洋文化全般を日本に伝えた先導者、さらに軍医総監・政府高官でもあった森鷗外。その風貌に接した友人、後続の文学者、親族、軍人ら、同時代人の回想五十数篇から、厳しさと共に細やかな愛情を持った巨人のさまざまな素顔が現れる。鷗外文学への格好の道標となる一冊。 Ⅰ うたかた うたかた……与謝野晶子 巴里なるまり子様に……佐佐木雪子 巴里なる山田珠樹兄に……団 伊能 通夜筆記……賀古鶴所 Ⅱ 鷗外と解剖 兄の日常生活……森 潤三郎 西周男と鷗外博士……相沢英次郎 鷗外と解剖……森 於菟 森鷗外君の追憶……緒方収二郎 通夜筆記……斎藤勝壽 森於菟に……小金井喜美子 Ⅲ みなわ集の事など 鷗外君の文勲を憶う……坪内逍遥 森鷗外君の追憶……内田魯庵 鷗外先生片々……平野万里 森先生と私……与謝野 寛 みなわ集の事など……泉 鏡花 観潮楼の思い出……佐佐木信綱 鷗外先生を訪いて……