現 代 イ タ リ ア 文 学 [1]戦前の文学 1.退廃主義ーイタリア現代文学の先駆者たち 19世紀前半の根底に流れているのは、それ以前の思想的潮流の反動として 現れた理想主義・精神主義・美学主義であるが、その先駆としてフォガツァー ロとダヌンツィオが重要な位置を占めている。彼らは唯物論と卑俗な悪しきヴ ェリズモに対し、精神主義・神秘主義・デカダンスなど反動的立場に立った。 フォガツァーロ(アントニオ Fogazzaro,Antonio 1842-1911) 詩人、短編作家だが、とりわけ三部悲劇によって小説を改革。心理分析と心 を悩ます葛藤ー肉感性と神秘主義、科学と信仰等ーを表現。 ダヌンツィオ(ガブリエレ dAnnunzio,Gabriele 1863-1939) イタリア近代(現代)文学の父。詩人、小説家、劇作家。アドリアティック海 に面したペスカーラという田舎町に生