本邦初! 装飾写本の本格的手引き登場。 こんな見方/読み方があったのか! 池上俊一(西洋中世史) 6月の新刊は前川久美子著『中世パリの装飾写本—書物と読者』に決まりました。帯は、西洋中世史家・東京大学教授の池上俊一氏の推薦の言葉をいただきました。「本邦初! 装飾写本の本格的手引き登場」という言葉どおり、意外なことに装飾写本を一般読者向けに紹介する本は今までありませんでした。 装飾写本がどのように作られ、そして挿絵と文章はどのように読まれたのか。 本書ではきわめて美しく豪華な装飾写本を生んだ13〜15世紀初めのパリに焦点をあてます。そこには、政治や戦争の影響もありました。一方で、画家の国際交流も生まれていました。印刷が発明されるまで隆盛を極めた〈写本〉にまつわる、読書と書物の歴史がひもとかれます。中世史、本の歴史に興味のある方も、ぜひお読みください。 本書はA5判上製、予価 本体3800円+
前川久美子『巡礼としての絵画ーーメディチ宮のマギ礼拝堂とゴッツォリの語りの技法』(工作舎、二〇〇九年)を読み終わった。エキサイティングとかスリリングとかそういう興奮ではなく、淡々と例証を積み上げて結論を導くというオーソドックスな手法の周到さに感嘆した。 ルネサンス絵画に限らず美術は美術そのものとして鑑賞されたのではなく、ひとつの手段として受容された、ちょうど建物がそれぞれに目的をもっているのと同じように絵画にもその時代ならではの使命があったわけだが、その受容という観点から絵画を読み解く、これが当今の美術史のメインストリームらしい。当時の人間の視点で絵を見る。そうすれば何故そういう画像がああいうふうに描かれたのかが自然と見えてくる。 ゴッツォリ Benozzo Gozzoli(ca. 1420, Firenze - 1497, Pistoia)はやや初期のルネサンス時代に活躍した画家で本書で
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く